賃貸の敷金は全額返ってくる|退去時の実体験から解説

これまで住んでいた賃貸住宅から退去するとき、もめることになることが多いのが「敷金」です。
皆さんも、転居の際に戻ってくる敷金が少なかったり、何かと理由をつけて全く戻ってこなかった経験があるのではないでしょうか。

結論から言います。
敷金は基本的には全額返ってきます

契約書に「ハウスクリーニング費用」を支払うって書いているけど、、、
関係ありません、払う必要は一切ありません。

こう断言できるのは、私が実体験からです。
そこで、今回は私の実体験から敷金を全額返還する方法をお教えします。

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敷金が全額返ってくる理由

一言で言うと、裁判で判例がでているためです。

敷金返還訴訟の過去の判例において、借り主(家を借りている私たち)がほぼ100%勝っており、大家の訴えが認められることはありません。

判例がでている以上、全額返ってくることは当然のことです。

契約書に記載されているハウスクリーニング代

よくこの話をすると、借り主、大家、双方が納得した上で、契約書を作成している。契約書に敷金の一部を賃貸物件の補修代(ハウスクリーニング費用、退去負担金などと契約書に記載されることが多いです。)に当てることが記載されているので、ハウスクリーニング代は払わないといけないと解説しているサイトを見かけますが、払う必要がないと判例でている以上、無効です。
大家さんからお金をもらって記事を書いているのでしょうか。
不思議です。

また、契約書に書かれていることをすべて履行する必要がありまん。
それは、契約書に退去時に家のリフォーム代として1,000万支払うと書かれていた場合、なんとなく違法のように感じないでしょうか。
契約書は、日本の法律や判例に基づいて作成されることが前提です。
契約書の中に、日本の法律に違反することや、判例に反する事項が記載されていた場合については、たとえ契約書に記載されていたとしても無効となります。
ハウスクリーニング代も同様、判例で支払う必要がないとでている以上、記載があっても無効です。

国土交通省のガイドライン

敷金に関しては、トラブルが多いことから国土交通省が敷金についての考え方をまとめたガイドラインを公開しています。

これを根拠に敷金返還を渋る悪徳業者がいますが、借り主がこれを十分理解していないことをいいことに、あれやこれやと違法に敷金を減額してくることがありますので注意しましょう。

上図は国土交通省のガイドラインの抜粋です。
「賃借人負担部分」は借り主が負担しましょうということが記載されているのですが、借り主が負担するのは「注意義務違反」、「故意・過失」の場合のみです。

つまり、悪徳業者が自然損耗の一部を借り主に負担を求めるのは、違法ですので、支払う必要はありません。

敷金返還訴訟を行う

判例が出ており、負けるはずのない勝負なのですが、相手もプロです。
なんだかんだと言いくるめられて、敷金を減額せざる得ないような状況に追い込まれそうになることもあるかと思います。

その際は、敷金返還訴訟を行いましょう。
少額訴訟なので、基本は弁護士を雇わない本人訴訟です。
訴訟と聞くと難しそうに思うのですが、書類を書くだけですので簡単です。また、書類は簡易裁判所に提出するのですが、提出前に必ず書記官が内容をチェックして優しく教えてくれるので、心配する必要はありません。

切手代など経費はかかりますが、私が敷金返還訴訟を行った際は、1万円程度でした。

1万円費用がかかってしまうのですが、負ける理由がない裁判なので、払い損には絶対にならないため、必要経費として目をつぶりましょう。

敷金返還訴訟の実施方法は別記事で解説する予定です。

敷金返還訴訟の経験談

私は敷金返還訴訟を2回経験しています。
といっても、2回とも簡易裁判所に書類を提出した後、相手が折れて、敷金を全額返還されたため、実は裁判までもつれ込んだことはありません。

敷金返還訴訟1回目

1回目は、契約書に記載されているハウスクリーニング代29,000円とクロス張替え代の一部16,000円、エアコンクリーニング代20,000円の計65,000円を請求されました。
ハウスクリーニングとエアコンクリーニングは契約書に記載されていたのですが、すでに解説したとおり払う必要がないことを説明しました。ですが、相手は大手のサラリーマン社員です。
マニュアル通りの回答しかなく、埒が明かなかったため敷金返還訴訟を起こすべく、簡易裁判所に駆け込みました。

その後、相手の顧問弁護士から電話がかかってきました。
内容はハウスクリーニングの29,000円だけ払っていただければ、裁判まで持ち込まないとのことでした。
私は前述したとおり、裁判に負けることはないことを知っていたので、向こうの条件をのむ理由がありません。(既に切手代などで1万円かかってしまっていますし、、、笑)

断ると、地方裁判所に移管しましょうと脅しをかけられました。地方裁判所に移管されても必ず弁護士をたてないといけないこともないのですが、こちらの手続きのハードルが一気に上がります。
ですが、それは相手も同じこと。ハウスクリーニング代の29,000円のために、地方裁判所で裁判なんかしたら、弁護士費用で29,000円なんて一瞬で吹っ飛び、相手は無駄に時間と費用をかけることになります。

初めから敷金を全額返すしか選択肢はないのです。

ということで、こちらが訴訟を取り下げないと貫いたところ、翌月に敷金全額返ってきました。

敷金返還訴訟2回目

2回目も1回目と同様、ハウスクリーニング代35,000円、畳の張替え費用50,000円、クロスの張替え費用の一部8,000円の93,000円を請求されました。

この物件は1年程度しか住んでいないのに、畳を全部張り替えるようで、全額負担を求めてきました。この業界は本当に借り主の無知をいいことに、やりたい放題していることを実感しました。

1回目と同様に支払う必要がないことを説明しましたが、契約書に記載があることを理由に話が進展しませんでした。
このときに、敷金返還訴訟を行うことを相手に告げたのですが、訴えた時点で、契約書に記載されていること(ハウスクリーニング代、畳の張替え費用を支払うこと)が有効かどうかは、貸主や私が決めるのではなく、裁判所が決めることになるのですが、理解いただけないようでしたので、簡易裁判所に駆け込みました。

すると、直接大家から連絡があり、敷金が翌日に全額返ってきました。

敷金返還に関する注意点

敷金は全額返ってくると解説していますが、その大前提としてこちらに過失がないことです。
例えば、私も敷金から退去時に一部支払ったことがあります。

紛失

入居時には洗濯機と配管をつなぐ、プラスチックのL型プラグが付いていたのですが、私が使用しているドラム式の洗濯機と接続ができなかっため、外して洗濯機と配管を繋いでいました。
退去時にそのプラグをなくしていることが判明したため、L型プラグ代580円は敷金から引かれました。
これは、こちらがなくしたという過失に基づくものなので、敷金から引かれても文句は言えません。

過失

私が昔、住んでいた物件は、トイレの上にものを置くスペースがなかったため、突っ張り棒をつけて、トイレットペーパを置いていました。
退去する際に、突っ張り棒が原因と思われる凹みができてしまい、この修繕費8,000円を敷金から支払いました。

敷金返還訴訟の判例を見ると、こういった借り主の過失に基づくものは敷金から減額してよいと判例があるため、素直に支払いましょう。

ただ、勘違いしていただきたくないのは、敷金返還訴訟で返ってきたクロス代のように、ものを擦ってクロスに軽いキズをつけてしまっう程度では、自然損耗の範囲ですので、クロス代を負担する必要はありません。
これも、解説サイトにより減価償却分を考慮してクロス代の一部を負担するなどと、もっともらしく書いているのですが、惑わされてはいけません。
生活していれば、軽いこすり傷などつくのが当たり前です。自然損耗です。
過失となるのは、画鋲で穴を開けたり、クレヨンで落書きしたり、こちらが故意、または意図してできるキズです。

まとめ

敷金について話をすると皆さん泣き寝入りをしているケースが多いように思います。
敷金については、全額返還されることが前提で、借り主の過失に基づくものだけ減額されることが基本です。

ただし、「更新料」については全額支払わなくてはいけないので、ご注意ください。

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本来、ここに書いていることは借り主は知らなくてもいいはずです。
それを借り主が知らないことをいいことに、返すのを渋る大家がいることを悲しく思います。

このような業界を変えるのは、皆さんがしっかり敷金を全額返してもらうことです。
敷金が全額返ってくることが当たり前になることを私は切に願っています。

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