賃貸に住んでいると、2年に一度、必ずやってくる賃貸の更新。
そして、この更新をするために請求されるのが、「更新料」です。
賃貸から出る際の敷金については、全額返ってくることは、以下で解説しました。

それでは、この更新料はどうなのでしょうか。
目次
結論
更新料はどうすることもできないので、支払うのがいやなのであれば、引っ越しましょう。
なぜ、更新料は支払わないといけないのか
敷金が全額返ってくる理屈として「自然損耗」があり、これを理由に裁判で借り主の訴えがほぼ認められていました。
裁判の判例により、敷金は全額返ってくると堂々と主張できたのです。
ですが、この更新料は逆に2011年、最高裁で借り主の訴えが棄却され「高額過ぎるなどの特段の理由がない限り、更新料を請求することは条項は有効」と判例が出ています。
最高裁は、更新料が予め契約書に明記され、それが1年あたり賃料の2ヶ月以内なら「消費者の利益を一方的に害するとはいえない」と踏み込んで結論付けました。
つまり、更新料は、消費者契約法10条が無効と定める「信義則に反して消費者の利益を一方的に侵害する契約」には当たらず、支払いを免れることができません。
更新料を支払わなくてもよいという誤り
「更新料は払わなくてもよい」とインターネット上で書かれている記事を見かけますが、これを鵜呑みにしてはいけません。
更新料を支払わなくてもよい理屈は、多くの場合以下のとおり説明されています。
例えば、2年の賃貸契約を締結した場合は2年後に更新手続きを行うことで、契約が継続され引き続きその家に住み続けることができます。
しかし、借地借家法第26条に規定されている法定更新では無条件で更新されるとされています。
つまり、更新料を支払わなくても、無条件で更新されるのだから、更新料は支払わなくてもよいという理屈です。
一見、この理屈は正しいように思えるのですが、正しいかどうかは私たちが判断するのではありません。
もちろん貸主(大家)でもありません。
裁判所です。
最高裁で判決がでている以上、いくら理屈をこねくり回しても支払いを免れることはできません。
法定更新とは
どうしても賃貸契約の場合、借り主(家を借りている私たち)の方が立場が弱いため、法律で私たちは守られています。借り主が「契約を更新しない」と通知しなければ、同じ条件で契約を継続できる権利です。
まとめ
現実問題として、更新料を支払わないからといって貸主から即座に訴えられることは基本的には無いと思われます。
ですが、更新料について支払いを拒否する行為は判例が出ている以上、間違った行為です。
裁判にもつれ込んだ場合は、100%負けるため、負けとわかっている戦いに労力を費やすのは、時間の無駄ですので、更新料は諦めてさっさと支払うか、引っ越しをしましょう。
そして、引っ越す際は、敷金は必ず全額返してもらいましょう。