防犯カメラの画質が悪い・粗い本当の理由|プライバシー侵害は誤り

最近ではスマートフォンで誰でも簡単に動画が撮れるようになりました。

本サイトで紹介している1万円以下の中華スマホでさえ、かなりきれいな動画を撮影することができますが、テレビでよく見かける防犯カメラの映像を見て、なんで防犯カメラの画質はあんなに悪いのか気になったことはないでしょうか。

某大手のセキュリティ会社での勤務経験に基づいて解説します。

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防犯カメラの画質が悪い理由

理由は大きく3つあります。

ちなみに、google検索で「防犯カメラ 画質 悪い 理由」などの組み合わせで検索して上位にでてくるサイトでは「プライバシー侵害が理由で、訴訟リスクを低減すること」が理由と記載されていますが、誤りです

ちょっと考えればわかるかと思いますが、「プライバシー」・「肖像権」を侵害しているかどうかは、映像を鮮明に撮るか、粗く撮るかではなく、映像を「撮るか」「撮らないか」が争点となります。

一昔、SNSに友人の画像をUPすることは、プライバシーの侵害になるのかどうかが問題になったことがありましたが、「画像が粗いとセーフ」なんて議論はなかったはずです。
また、監視カメラの映像が鮮明であることで、トラブルになったというニュースも聞いたこともないはずです。

つまり、本当に「プライバシー侵害」を避けるために、映像を粗くするのであれば、個人を判別できない程度に粗くしないといけませんが、テレビなどで見る監視カメラの映像は、粗いといえど、個人を判別できる画質であるためアウトです。

もうおわかりだと思いますが、これは法律上の問題」ではありません

それでは本題に入ります。

単にカメラが古いから

監視カメラを取り付けておくだけで、犯罪抑止効果があるため、一度取り付けた監視カメラは、余程のことがない限り更改されません。

そして、日本で監視カメラが普及しだしたのが、2003年頃です。

2003年長崎の男児誘拐事件で犯人逮捕に監視カメラが活躍したのをきっかけに、警視庁も歌舞伎町の繁華街で99台の監視カメラを導入するなど、このころ一気に監視カメラが設置されるようになりました。

2003年のカメラのスペックというと、例えばソニーから「DCR-PC300K」が発売され定価は198,000円もするのに、画素数はたったの300万画素です。

DCR-PC300K

ちなみに、2017年のドコモから発売されている「Xperia XZ Premium SO-04J」は、

・アウトカメラ:1920万画素
・インカメラ:1320万画素

あります。

つまり当時20万円出して、ようやく取り付けたのが300万画素程度の画質の悪いカメラで、新しいものにも更改されず、そのままになっているため、ニュースに出てくる監視カメラの映像は粗くなっているのです。

新しい監視カメラになぜ変えないのか

更改せずとも犯罪抑止効果があるといっても、万が一の時のために、新しい監視カメラにした方がいいのにと思われるかもしれません。

これは、「防災」、「防犯」関連の商品を営業した経験がある方ならお分かりになるかと思います。

導入することで「カネ」にならないものは、導入のモチベーションは非常に低いのが一般的です。

例えば、工場のラインに最新の設備が導入されると、生産性が向上し同じ時間でたくさんの商品を製造できるようになります。

一方で、監視カメラを最新のものに取り替えても、取り扱っている商品が売れるようになるわけでもなく、犯罪抑止効果も向上するわけでもありません。
※取り付けられている監視カメラが最新か古いかどうか、外から見てもわからないため、犯罪抑止効果は同一。

そもそも、防犯カメラを取り付けて活躍する確率は、0.1%未満で、将来1回活躍するかどうかわからないものに、カネなんてかけてられるかというのが、監視カメラを取り付ける側の考えです。

監視カメラを取り付ける費用

モノや取り付ける位置によってもまちまちですが、ざっくりの金額は

・最新のハイビジョン監視カメラ:5万円
・レコーダー:10万円
・工事費用:10万円

くらい必要となります。

カメラを5台取り付けている店舗なら、すべて取り替えると、カメラ代で25万円、工事費用も同時に増えて20万円~30万円程度必要となる可能性があり、50万円以上必要です。

付いているだけで犯罪抑止効果があり、活躍する可能性はほぼなく、費用も50万円程度するため、古いままになっているのが現実です。

画角

みなさんがスマホで撮った写真は非常にきれいに撮れていると思いますが、拡大すると粗くなります。

それと同じで、ニュースで流れている映像は、広角で撮った映像を拡大して流しているので、粗く見えています。

具体的に例を上げると

一見、きれいな画像のように見えますが、この中でニュース映像のように特定の人にスポットを当てると

こんな感じで粗くなります。

コンビニの監視カメラの映像で、ATMに向かう犯人の映像!

という感じで流れている映像は、コンビニ全体を撮っている監視カメラの映像を、ATMへ向かう犯人にスポットを当てているので、もともと画質の悪い映像に加え、さらにそれを拡大しているので、映像が粗くみえる要因になります。

ハードディスクの容量

私の使用しているスマホで、約15秒の動画を撮ってみたのですが、動画のファイルサイズは50Mバイトになりました。

かなりきれいに撮れているのですが、この画質で監視カメラのように一日中撮り続けると288Gバイトになります。

技術の進歩によるハードディスクの容量が増え、価格が下がっているとはいえ、この画質で1ヶ月撮り続けると、たった一台の監視カメラだけで、8T(テラ)バイトを超える容量となってしまいます。

これと同様のことが、古いカメラと、それと同時に導入されたハードディスクにもいえるため、2003年頃普及した300万画素の監視カメラをそのまま300万画素で撮り続けることは、当時のハードディスク容量では厳しいと想像できます。

それでも、監視カメラの映像はいつ使用するかわからないため、一定期間保存する必要があります。

そのため、画質を落として容量を節約することになります。

プライバシー保護の観点ではありません。

これも、監視カメラの映像が粗くなる原因の一つとなります。

まとめ

防犯カメラの画質が悪い理由は、コストの問題で解像度の低い古いカメラから更改していないことや、広角で撮った映像を拡大している。

また、ハードディスクの容量を節約するために、画質を落としていることが上げられます。

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