「ラプサン・スーチョン」という中国の紅茶をご存じでしょうか。
英国をはじめとする欧米での人気が高く、日本にはなかなか入ってこない貴重で高価な紅茶ですが、癖のあるスモーキーな燻製香がゆえに敬遠されてしまうことも多い、好き嫌いが分かれる個性的な銘柄です。
今回は、熱狂的なファンも多いというラプサン・スーチョンの特徴とおすすめの飲み方・淹れ方をご紹介します。
ラプサン・スーチョンの紅茶ブランドと飲めるレストラン&カフェについてはこちらをご参照ください。
目次
ラプサン・スーチョンとは

ラプサン・スーチョンは、中国紅茶の中でもキーマンに次いで有名な紅茶。
松の薪の煙で燻製したスモーキーな香りとマイルドでさっぱりとした味が特徴です。
漢字表記は「正山小種」。
紅茶発祥の地と言われる中国の福建省で誕生しました。
福建省の「武夷山」という地域では古くから武夷岩茶(烏龍茶)が作られていましたが、17世紀の混乱期に軍隊の駐屯地となったことで一時お茶の製造が中断され、茶葉が湿ったまま酸化してしまいました。
そこで当時薪として使われていた松を燃やし、茶葉を炒って乾燥させ、より早く、より多くの紅茶を作ろうとしたことがきっかけとなり、松葉で燻して着香した全く新しい紅茶、ラプサン・スーチョンが誕生したと言われています。
その後、貿易商から注目を集め、英国王室の献上品にもなった、とても高貴で高価な紅茶です。
ラプサン・スーチョンは紅茶の本場・英国をはじめとする欧米での人気が非常に高く、製造されたラプサン・スーチョンの多くが英国へ輸出されていると言われます。
日本へはイギリスを経由して輸入されることが多く、中国茶ではなくフレーバーティーとして扱われることもあります。
英国で好まれた理由としては、独特なスモーキーな香りがスコッチウイスキーや葉巻を嗜む貴族たちの間で流行になったことが始まりのようです。
日本へ入ってくる量が少ないこともあり、日本国内では一般的にあまり知られていない銘柄ですが、知る人ぞ知る紅茶通を虜にする紅茶です。
紅茶専門店へ行った際にラプサン・スーチョンを注文しているお客さんを見かけたら、その方は間違いなく紅茶通だと言えるでしょう。
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ラプサン・スーチョンの特徴

茶葉は黒く艶があり、紅茶の水色は深めのオレンジ。
そして一番の特徴はやはり、癖のあるスモーキーな燻製香と言えます。
ぜひ一度この香りを体験していただきたいのですが、想像以上に強烈な香りで好みがハッキリと分かれます。
実は私も初めて香りを嗅いだ時、絶対に飲みたくない!と思ったほど抵抗感がありました。
この独特な香りは薬品のようだと言われることも多く、特に日本の「正露丸」に例えられることが多いのですが、その理由は正露丸の主成分である「クレオソート」という物質の香りが松の燻香とほとんど同じだからだと言われています。
ダージリンやアッサム、セイロンといったベーシックな紅茶を飲み慣れている方にとっては、同じ紅茶と思えないほどの違いを感じるでしょうし、この香りで敬遠してしまう方が多いのも納得です。
しかし実際に飲んでみると、ほのかな甘さとコクを感じます。
香りの個性に比べると、紅茶の味わいとしてはとてもマイルドで飲みやすいと言えます。
合わせて、ラプサン・スーチョンの希少性が高く、英国王室にも献上されるほど高貴な紅茶として知られる理由は以下の3点です。
1. 限定された地域(福建省武夷山)でしか取れない貴重な茶葉で、収穫量も少ないこと
2. 武夷山の海抜1000〜1200mの高山にある野生の茶樹の芽のみが使用されること
3. 製造過程が長く、全行程を手作業で行うために手間がかかること
漢字表記「正山小種」の「正山」は「武夷山」、「小種」は「量が少なく貴重である」ことを意味しており、名前からも高貴なものであることが分かります。
おすすめの飲み方・淹れ方

ここからは、ラプサン・スーチョンを美味しく楽しむためのオススメの飲み方と入れ方についてご紹介します。
基本の淹れ方(適切な茶葉の量やお湯の温度、抽出時間)については紅茶メーカーによって異なりますので、商品裏に書かれている説明を参考にしてください。
ストレートで飲む、ミルクやレモンを入れて飲む
ラプサン・スーチョンの特徴であるスモーキーな香りを楽しむには、やはりストレートで飲むのがおすすめです。
先ほどお伝えしたように紅茶の味わい自体はとてもマイルドなので、一度香りに慣れてしまえば、ラプサン・スーチョンの魅力を一番堪能できる飲み方だと言えます。
やはり香りが気になるという方には、紅茶を少し濃い目に抽出して温めた牛乳を入れ、ミルクティーにするのがおすすめです。
そうすることで独特の香りが軽減され飲みやすくなります。
クッキーなどお菓子との相性も良いので、アフタヌーンティーとしても楽しめます。またレモンを入れたり、砂糖を多めに入れたりするのも良いでしょう。
ホットティーとアイスティー
ホットで飲む場合、なるべく硬水を使うことで独特の香りが軽減され、すっきりと飲みやすく淹れることができます。
アイスで飲む場合には、軟水・硬水どちらでも構いませんが、軟水の方がより鮮やかな水色が出やすいのでおすすめです。
ブレンドして飲む
ラプサン・スーチョンの香りが強すぎると感じる場合には、ダージリンやアッサム、アールグレイなどのお好きな茶葉に少量のラプサン・スーチョンを加えて、ブレンドティーとして飲むのもおすすめです。
元々強烈な香りに抵抗感を持っていた私もこの飲み方から試してみたのですが、普段飲んでいるダージリンとは少し違った香りと味わいになってとても新鮮で、抵抗なく飲むことができました。
食べ物とのペアリング
紅茶というと一般的に甘いお菓子に合うものが多いですが、ラプサン・スーチョンの場合はお菓子以外の食べ物とも相性が良いと言われています。
例えば、同じ燻製のスモークサーモンやスモークチーズなど、おつまみ系の食べ物ともマッチします。
また中国紅茶ということもあり、中華料理との相性も良いです。ジャスミン茶やプーアール茶が中華料理と合うことを思えば納得かもしれません。
また甘いクッキーやビターチョコレートに加えて、意外にも桜餅などの和菓子との相性も良いのでぜひ試してみてください。
まとめ
初めて飲む方にとっては抵抗が強いであろう香りを持つラプサン・スーチョンですが、癖の強い嗜好品ほどハマってしまう人も多く、英国ではもちろん、日本においても人気の高い紅茶としての地位を保っています。
近年ではスモークチーズやスモークベーコンなどの燻製製品がポピュラーになってきたこともあり、思ったほど香りは気にならなかった!という方も増えてきているようです。
一度飲んでみると、意外な美味しさと飲みやすさに驚き、ファンになる方も多いはず。英国王室にも愛される高貴で希少な紅茶をぜひ一度堪能してみてください。
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